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ご存じでしたか?不動産の親子間売買はどう行う?流れや価格、税金や注意点などを解説!

不動産の親子間売買とは?一般的な売買との違い

こんにちは!不動産売買をお手伝いするエスプラの大和田隆志です。
 
不動産・住宅を手放す方法として、一般的な第三者への売却や家族間の相続以外に親子間売買を行うという選択肢があります。
親子間売買は一般的な売買と比較すると費用を抑えやすいというメリットがありますが、注意したい点もいくつかあります。
 
親子間売買のメリットや注意点、かかる税金や使える特例などを把握し、損をしない親子間売買を行うためのポイントについて確認していきましょう。 
 
親子間売買の多くは親から子への売却を行いますが、売主が子の場合も存在しますし、似たような売買として兄弟間や親戚間の売買もあります。
基本的には有償譲渡となり、売買契約が必須条件です。
 
一般的な売買との違いとして、売主と買主が確定している前提で売買活動がスタートする点が挙げられます。
広告期間や内覧などを設けずに契約開始できますので、スムーズに契約作業が進めば契約自体は1日で完了し、法務局の登記変更が終われば手続き自体もすぐに完了できます。
 

不動産を親子間売買するメリットや注意点をチェック

不動産の親子間売買ではメリットも多い一方で、注意点があります。
メリットとともにご紹介していきましょう。

親子間売買のメリット

1)契約までがスピーディー
一般的な売買と比較すると、売主と買主が確定している「親子間売買」では、仲介業者に依頼しての販売期間を短縮することができます。
 
2)コストを抑えて売主・買主ともに得できる
親子間売買であれば、売主と買主が構築されている間での取引となるので、売主・買主の双方が仲介手数料を割引してくれる所が多いです。
 
3)贈与をするより売買にかかる税金の方が抑えられる可能性あり
一般的な不動産売買より安く取引価格を設定できる親子間売買では、住宅の評価額などによって変わりますが、生前贈与をするよりも発生する税金を抑えられる可能性があります。
 

親子間売買のデメリット

1)安価な取引は「みなし贈与」と算定される可能性あり
親子間だからと一般的な市場相場と比較して著しく安価で取引してしまうと、双方に贈与の意思はなくても「みなし贈与」とみなされることがあります。
 
これは通常相続を行った場合に、かかる相続税課税から逃れることを意図した取引を防ぐ意味合いを持ち、一般的な相続税よりも高い(最大55%)課税をされることになります。
 
明確に何万円以下はみなし贈与という基準はありませんが、価格の決め方に迷ったら不動産会社や不動産取引に詳しい司法書士・税金の事であれば税理士などに相談するのがオススメです。
 
2)揉め事に発展する可能性に注意
双方の事情を理解して、売却額を決めることが可能なのが親子間売買のメリットでもありますが、お金のことだからこそ思わぬ揉め事に発展する可能性も潜んでいます。
 
状況によっては、親子間や親族間でこじれないよう、契約部分だけはプロに介入してもらうなどの工夫も大切です。
 
3)住宅ローンが組みにくい
親子間売買をする背景として、単に親世帯がコンパクトな住居に移りたい、高齢者施設に移り住みたいので子に継承したい、という考えから契約に至るケースが大半です。
 
しかし、親世帯に住宅を担保にした借金があり、その借り換えを目的として子が住宅ローンを組むというケースもあり、このような不適切な借り換えを防ぐために住宅ローンが組みにくい傾向にあるのも事実です。
実際に、金融機関の住宅ローン取り扱いとして親子間売買においては、融資不可というケースがありますので、事前に確認しておくことをおすすめします。
 
4)控除や特例が受けられない場合もある
親子間売買では「3,000万円特別控除」「住宅ローン控除」「買い替え特例」「10年超所有軽減税率の特例」といった、控除や特例を利用することができない場合があります。
 
ただし条件によって受けられるものもあるため、後ほどご紹介します。

不動産の親子間売買の流れや価格の決め方、諸費用、税金も確認!

不動産を親子間売買するときの一般的な流れは、広告掲示や内覧期間を除き、通常の売買とそう大きくは変わりません。
 
.法務局で登記簿謄本を取得
.相場を確認し、売却価格を決定
.売却条件(資金や引き渡し時期など)を確認し、売買契約を締結
.決済・登記変更完了に伴い引き渡し
.価格に応じて確定申告
 
早ければ書類作成・手続き期間も含めて1カ月以内に契約を交わすことも可能です。
 
では、価格はどのように決めるのがベストでしょうか?

親子間売買時の価格設定のポイント

親子間売却時の価格設定における一番のポイントは「売却価格の相場と大きく離れないこと」です。
親子間で売買契約を結ぶことで、住宅の状態によっては相続税や贈与税より節税できますが、価格が低すぎると前述した通り「みなし贈与」と捉えられることも。
 
ただ、市場価格より〇万円低ければみなし贈与となるという明確な基準はなく、住宅の状態や立地条件などによって算定されるため、自治体によってもその取扱い額が少々異なります。
 
目安としては売却価格を市場価格相場の7~8割前後に設定し、家族間だから値引きしたんだな、と理解できる範疇にとどめておくのがベストでしょう。
 
逆に相場の5割以下に設定した場合は、みなし贈与と判断されやすいと言われているので注意が必要です。
手元に残るお金が少ないのに支払い税額が高くなるだけでなく、万が一納税が遅れてしまえば延滞税の対象ともなりかねません。

売却時(親サイド)にかかる税金

住宅を売却するときや取得をするときには、親子間売買にかかわらず、税金が課税されます。
また、条件を満たせば利用できる特例もあるため、どちらも知っておきましょう。
 
譲渡取得税
売却時にかかる税金の最も大きな部分を占めるのは「売却益が出た場合の『譲渡取得税』」でしょう。
比較的費用を抑えられる親子間売買では、売却時の経費と相殺して利益が出るケースが多いのが特徴です。
 
もちろん、単なるリフォーム代金ではなく一般的な住宅売却時に必要とされる範囲の修繕などの費用であれば、売却価格から差し引くことができます。
一般的な所得税とは別に考えますので注意しましょう。
 
登録免許税・印紙税
これは契約書締結および登記抹消を行うときに発生します。
登録免許税は所有権移転に要する登記手続き費用は、一般的には買主が負担します。
売主の必要となる登記費用は抵当権抹消費用などです。
 
また、印紙税は一般的に役務等を提供し、金銭を受理する方が支払います。

購入時(子供サイド)にかかる税金

不動産を取得した際には「不動産取得税」が課税されます。
算出方法は固定資産税評価額×3%(2024年3月31日まで)で、さらに新築した日に応じて控除額を引くこともできます。
 
土地および住宅の評価額を基準に税額が決定しますので、算定元の額が購入額と必ずしも比例しないことに注意が必要です。
 
売主/買主で支払額を調整する税金
基本的に「固定資産税」は対象年度の1月に不動産を所有した人へ毎年課税され、課税標準額×税率1.4%で算出します。
 
親子間売買を行なった時点ではすでに売主が納税しているケースが多いです。
買主への課税開始は翌年からになりますが、実際に所有権は買主へ移っているので、売主は住んでいない住宅の税金を払ってしまったこととなります。
そのため、売主と買主で日割り計算に基づいて固定資産税を負担しあうことが慣例になっており、話し合っておく必要があります。
 
なお、納税済みの税金に対する再請求や調整は国では行わず、たいていの場合契約金にあわせて支払うことを契約書に明示してあります。

条件を満たせば受けられる特例とは?

親子間売買では特例が受けられない場合が多いですが、「住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)」に関しては、買主側が条件を満たせば受けられます。
 
住宅借入金等特別控除とは住宅ローン等を利用してマイホームを取得し、2021年12月31日までに自己の居住の用に供した場合で一定の要件を満たす場合において、その取得等に係る住宅ローン等の年末残高の合計額等を基として計算した金額を、居住用に供した年分以後の各年分の所得税額から控除するものです。
 
住宅ローンの返済期間が10年以上であること、買った家に住むこと、買主が売主と同居していない・仕送りをしていないこと、買主の年収が3,000万円以下であることが条件になっています。
親子で同居していたり、生活費を仕送りで面倒見ていたりすると、生計を一にしていると判断され、受けられません。
 
また、住宅ローン控除の適用を受けられる物件にも条件があり、床面積が50㎡以上である、一定の耐震基準をクリアしているという点をクリアする必要があります。

まとめ・不動産の親子間売買は価格設定や税金に注意してしっかり話し合いを!

住宅の評価額が高く一定以上の売却額が見込める場合や、単純に相続するよりも節税効果が見込める場合には、親子間売買を活用して不動産取引を行うことが可能です。
契約までがスピーディー、コストを抑えて売主・買主ともに得できるなどのメリットもあります。
 
しかし、基本的な売買契約書を用意せず口約束で事を進めてしまうと、各種申請時や確定申告の時期に困ってしまうかもしれませんし、家族で思わぬトラブルに発展してしまうのは避けたいですよね。
 

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