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自力で⁉土地の名義変更のやり方とは?手順・必要書類など

土地の名義変更のやり方とは?手順・必要書類などのお話

相続や購入などで土地を取得した場合、土地の名義を取得した人に変更する手続きをしなければいけません。すべての名義変更の手続きは、法務局へ所有権移転登記を申請して行います。そして、相続登記の義務化の改正法はまだ施行されていませんが、2024年4月には施行される見通しです。

つまり、「土地の名義変更=土地の登記手続き」ということです。なお、相続によって土地を取得した場合の名義変更は特に「相続登記」と言います。
この記事では、土地の名義変更の手続きの手順や費用、必要書類について解説します。

土地の名義変更とは

土地の名義変更とは、土地の所有者が変更される際に土地の名義を変更する手続きで、法務局に所有者移転登記を申請することです。ここでは、土地の名義変更に関する基本的なことを解説します。土地の名義変更を必要とする主なケースは以下の4つです。
1.不動産を相続した場合
2.不動産を売買した場合
3.不動産を贈与した場合
4.離婚をして不動産を財産分与した場合
ケースごとに必要書類や費用などが異なるので、自身の状況に応じて確認しましょう。

土地の名義変更は自分でできる?

土地の名義変更を自身で行うことは可能です。しかし、必要書類の収集や、登記申請書の作成は非常に煩雑で、手間と時間を要します。「時間がない」「手続きをするのが面倒」という方は、費用をかけてでも司法書士に依頼することを検討するべきでしょう。

司法書士に依頼をすれば、必要書類の収集から登記申請書の作成、最終的な法務局への申請まで代理で行ってくれます。なお、土地の売買における名義変更の場合、金融機関にてローンを組むときには司法書士への依頼が必須となります。

土地の名義変更にはどれくらい期間がかかる?

登記の申請をしてから登記登録が完了するまでは1?2週間程度です。ただし、経験から申し上げますと、次の時期には法務局が混み合いますので2週間以上かかることも多いです。

年末年始
3月末
大型連休前
これに加え、申請前に必要な書類を集める時間がかかります。書類のほとんどは、公的機関で平日の日中に取得することになるので、なかなか平日に時間が取れない方はかなりの時間を要するでしょう。

土地の名義変更を急いでいる場合は、スケジュールに注意しましょう。
なお、司法書士に依頼した場合、ケースによって期間は異なりますが、取り間違いなどがないので、最短で必要書類の収集から登記申請までしてくれます。

土地の名義変更にはどれくらい費用がかかる?

土地の名義変更にかかる費用は、ケースごとに異なります。
それぞれのケースでかかる費用の目安は以下のとおりです。

■相続の場合
登録免許税は不動産評価額の0.4% 登記手続きをする際に課税される税金です。収入印紙を購入し、登記申請書に貼って納税します。書類取得費 1~2万円程度、戸籍謄本など、必要書類の取得にかかる費用です。相続人の人数に応じて増減します。
ちなみに、司法書士への依頼費用 7~10万円程度です。
※2000万円程度の土地の場合 登記手続きを司法書士に依頼する場合の報酬です。不動産の数や評価額によって異なります。

■贈与の場合
登録免許税不動産評価額の2%、登記手続きをする際に課税される税金です。収入印紙を購入し、登記申請書に貼って納税します。贈与税、贈与額に応じて10%~55% 贈与税の基礎控除110万円を超える額に課税されます。
不動産取得税 不動産評価額の3%
※宅地の場合、半額 不動産を取得した際に課税される税金です
ちなみに、こちらも司法書士への依頼費用 7~10万円程度です。

■離婚の場合
登録免許税は不動産評価額の2%、貰う側が支払います。登記手続きをする際に課税される税金です。収入印紙を購入し、登記申請書に貼って納税します。
こちらも司法書士への依頼費用 7~10万円程度

■売買の場合
不動産名義変更の登録免許税 土地:不動産評価額の1.5%建物:不動産評価額の2%
※居住用の不動産で一定の要件を満たすと0.3%に軽減される 買主 登記手続きをする際に課税される税金です。収入印紙を購入し、登記申請書に貼って納税します。住所変更や抵当権抹消登記の登録免許税 不動産の個数×1,000円 売主 登記上の住所から変更がある場合には住所変更の登記、住宅ローンが残っている場合は抵当権抹消登記が必要です。
不動産取得税 不動産評価額の3%
※宅地の場合、半額 買主 不動産を取得した際に課税される税金です。
譲渡所得税 所有期間5年超:売買によって得た利益の約20%
所有期間5年以下:売買によって得た利益の約39%
※マイホームの場合、3,000万円の控除あり 売主 不動産を売却して、売却益が出た場合に課税される税金です。
司法書士への依頼費用 7~10万円程度
※地域によって異なる 登記手続きを司法書士に依頼する場合の報酬です。不動産の数や評価額によって異なります。
なお、関東では買主が支払うのが一般的ではありますが、支払う人に決まりはありません。

土地名義変更に必要な書類

必要書類は、ケースごとに異なります。
ここでは、それぞれのケースで必要な書類について解説します。

相続の場合
亡くなった方の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
※死亡時から遡って、出生まで連続した戸籍謄本を取得する必要があります。
亡くなった方の住民票の除票または戸籍附票
法定相続人全員の戸籍謄本
遺産分割協議書
不動産を取得する相続人の住民票
相続する不動産の固定資産税の評価証明書
登記申請書
※登記申請書は、法務局の窓口で受け取るかHPからダウンロードが可能です。
【ダウンロードはこちら】法務局HP
贈与の場合
【贈与する人と贈与を受ける人双方で用意するもの】

不動産贈与契約書
【贈与をする人が用意するもの】

贈与する人の印鑑証明書
※発行から3ヶ月以内のもの
登記済権利証または登記識別情報通知
固定資産税評価証明書
住民票または戸籍の附票
登記申請書
※登記簿上の住所から住民票が変わっている場合のみ
【贈与を受ける人が用意するもの】

贈与を受ける人の住民票
離婚の場合
【離婚により土地を譲渡する人が用意するもの】

譲渡する人の印鑑証明書
※発行から3ヶ月以内のもの
登記済権利証または登記識別情報通知
固定資産税評価証明書
住民票または戸籍附票
※登記上の住所から住民票が変わっている場合のみ
離婚の記載のある戸籍謄本
※裁判離婚の場合、上記書類は不要です。
【離婚により土地を取得する人が用意するもの】

自分の住民票
固定資産税評価証明書
※裁判離婚の場合のみ必要
調停書、和解調停書等
※裁判離婚の場合のみ必要
渡す人の住民票
※裁判離婚の場合で、登記簿上の住所から変更がある場合のみ必要
売買の場合
【買主が用意するもの】

住民票
印鑑証明書
※金融機関でローンを組むときのみ必要
顔写真付きの本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
【売主が用意するもの】

印鑑証明書
※発行から3ヶ月以内のもの
登記済権利証または登記識別情報通知
固定資産税評価証明書
住民票又は戸籍の附票
※登記上の住所から住民票が変わっている場合のみ
顔写真付きの本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)

土地の名義変更の際の注意点

すべての土地の名義変更で行わなければならない「所有権移転登記」をする際には、登録免許税という税金が課税されます。
また、贈与した場合には贈与税、贈与や売買によって不動産を取得した場合には不動産取得税、売買によって利益を得た場合には譲渡所得税が課税されます。 「名義変更」というと気軽なものに感じますが、数万?数十万円単位の税金がかかることは理解しておきましょう。

1.名義変更時に登記権利者と登記義務者の立ち合いが必要

離婚、贈与、売買によって名義変更をする場合には、登記申請をする際に登記権利者(新しい名義人)と登記義務者(前の名義人)が立ち会わなければいけません。
共同申請といって、新しい名義人と前の名義人が連名で登記申請をしなくてはならないからです。 贈与や売買の場合は問題ありませんが、離婚の場合顔を合わせたくないという方もいらっしゃるでしょう。 そのような場合には、司法書士に依頼をすれば、代理で申請手続きをしてくれるため、両者の立ち会いが不要になります。

2.相続による名義変更は煩雑な手続きが必要

相続による名義変更の場合、戸籍の収集など、必要書類が多く、手続きが煩雑です。
そのため、一般の方が自身で行うのは、時間的にも難易度的にも難しい気がします。相続人が10人以上実はいました、とかも珍しくはありません。

まとめ

土地の名義変更の手続きは、所有権移転登記申請をすることで行います。
名義変更の原因に応じて、手続方法や必要書類が異なりますので、ご自身の状況に合わせてご確認ください。
また、登記手続きは必要書類も多く、非常に煩雑です。
自身で手続きをするのに不安を感じたら、司法書士に相談したほうが無難です。