相続や住み替えなどにより不動産売却をお考えの方の中には、「なにから始めたらよいのかわからない」という方もいらっしゃるでしょう。

不動産売却をスムーズに進めるためには、どのような流れで売却が行われるのか、どのような書類が必要なのかを事前にチェックしておくことが大切です。

こちらでは、不動産売却の一般的な流れについてご紹介いたします。

1．売却の相談
まずは、不動産会社に問い合わせて、売却について相談しましょう。売主様のご事情やご希望の売却時期などを丁寧にお聞きし、売却方法についてアドバイスいたします。

2．査定を依頼
不動産査定は、「いくらで売却できるか」の目安を立てるものです。所有不動産の状態や権利関係の確認、周辺の成約事例・売出事例、市場動向、エリア特性などを考慮しながら、査定価格を算出いたします。

3．媒介契約の締結
査定価格や売却方法にご納得いただけましたら、媒介契約を締結いたします。媒介契約には専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類あり、それぞれ特徴が異なります。どの媒介契約が合っているのか、お気軽にご相談ください。

4．売却活動の開始
インターネットへの掲載やチラシの配布、オープンハウスなど、様々な売却活動を通して購入希望者を探します。購入希望者が見つかった際は内覧をご案内いたしますので、売主様は清掃、整理整頓などのご準備をお願いいたします。

5．売買契約の締結
購入希望者から「購入申込書」を受領し、価格や引き渡しなどの条件について調整を行います。調整した内容について売主様と買主様の間で合意に至ったら、売買契約を締結いたします。売買契約の締結と同時に、買主様から手付金を受け取ります。

6．物件の引き渡し
売買契約締結後は、物件の引き渡しに向けてローンの完済手続きや抵当権の抹消手続き、引越しなどを進めます。引き渡し当日は売買契約時に定めた内容で引き渡しを行い、残代金の受領と同時に物件の鍵を渡したら、売却手続きは完了です。

不動産売却では、様々な書類が必要になります。書類によって入手方法が異なり、入手までに時間を要するものもあるため、事前にどのような書類が必要になるのか確認しておくことをおすすめいたします。

登記済権利書または登記識別情報
法務局から登記名義人に公布される書類で、登記名義人がその物件の真の所有者であることを証明する非常に重要な書類です。自宅に保管されていないかご確認ください。万が一紛失してしまった場合、再発行はできません。しかし解決法はありますので、不動産会社の担当者に相談してみるとよいでしょう。

身分証明書
運転免許証や健康保険証、マイナンバーカードなど、一般的に身分証明書として認められているものをご用意ください。物件が共有名義になっている場合、共有者全員の身分証明書が必要です。

住民票、印鑑証明書
住民票は、売主様の居住を証明するために必要な書類です。住民票と印鑑証明書は、発行から3ヶ月以内のものを使用します。市区町村の窓口で取得しましょう。

固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書
固定資産税の納税額の確認、移転登記の際の登録免許税を計算するときに必要となる書類です。固定資産税はその年の1月1日時点での所有者に課税されますが、その年の途中で売買された際は負担額が調整され、売主様に一部払い戻しされます。自宅に最新のものが保管されていないか、ご確認ください。紛失した場合は市区町村の窓口で固定資産税評価証明書を発行してもらいましょう。

土地測量図・境界確認書
土地の面積や隣接する他の土地・道路との境界の位置を証明する書類です。土地測量図は法務局で取得することができますが、境界確認書は公的に保管されているわけではないため、紛失した場合は測量した会社に問い合わせるか、再度測量する必要があります。

建築確認済証・検査済証
建築確認済証は工事前の計画が法律に適合していることを証明する書類で、検査済証は工事の途中や完了時の検査で法律に適合していることを証明する書類です。住宅購入時や建築時に取得するのが一般的ですので、自宅に保管されていないかご確認ください。紛失している場合、再発行はできません。建築計画概要書や台帳記載事項証明書で代用することができますので、市区町村の窓口で発行してもらいましょう。

耐震診断報告書・アスベスト使用調査報告書
必須の書類ではありませんが、提出が求められるケースが多い書類です。提出の必要がない場合でも、これらの書類があれば信頼性をアピールすることができます。

管理規約・使用細則（マンションの場合）
マンションを売却する場合に必要な書類です。管理規約や使用細則には、共用部の使い方などのルールがまとめられています。買主にとって重要な情報が記載された書類ですので、売買契約締結時に提出できるよう、できるだけ早く用意しておくことをおすすめいたします。手元にない場合、マンションの管理会社が保有しているため、まずは不動産会社の担当者にご相談ください。

他にも、場合によって必要となる書類は数多くあります。一戸建てを売却するのか、マンションを売却するのかによっても必要な書類は異なります。どのような書類が必要なのか、事前にきちんと説明いたしますのでご安心ください。

相続や住み替えなどにより不動産売却を考える際、やはりどれくらいの価格で売却できるのかという点は気になるでしょう。相場価格を知るためには、まず査定を依頼する必要があります。

こちらでは、一戸建てやマンションの査定で見られるポイントや不動産売却前に知っておきたいことについてご紹介いたします。

査定方法は不動産会社によって異なりますが、一般的にどのようなことが査定に影響するのかについて知っておくことは大切です。

築年数
一般的に、築年数が古い家ほど査定価格は低くなります。とくに築20年以上経過した一戸建ての場合、資産価値は急激に下がってしまいます。建物の資産価値がゼロに近い場合は、古家付きの土地として土地のみの価格で算出されることが多いです。しかし都市部のように、中古一戸建てでも住宅の需要が高いエリアでは築20年を超える物件でも希望に近い価格で取引される場合がありますので、不動産売却をお考えなら早めに査定を依頼することをおすすめいたします。

建物の設備と劣化具合
水回りや冷暖房の設備、外壁や屋根、壁紙やフローリングの劣化などを確認します。設備の多さや、状態のよさによっては、査定額が上がる可能性があります。

間取り
使いやすい間取りかどうかを確認します。重要なことは、生活動線が整った間取りかどうかです。デザイナーのこだわりがつまったおしゃれな間取りでも、家事動線が悪かったり、家族構成やライフスタイルの変化に対応できない間取りは査定額が下がる可能性があります。

周辺環境
近くに駅やバス停、スーパー、コンビニ、公園、病院、郵便局、銀行、学校、保育園などがある物件はニーズが高いため、査定額アップが期待できます。

日当たり・眺望
日当たりがよい南向きで、風通しのよい物件は好まれるため、査定額アップが期待できます。またマンションの場合、階数も査定価格に大きく影響します。

他にも、土地の面積や形状、接道道路との関係、庭付き、ペット可など、査定に影響するポイントはたくさんあります。

不動産売却を行う際、土地部分の権利・境界線を明確にしておく必要があります。マンションに比べ、一戸建ては隣家との所有権が曖昧である可能性が高いです。隣家との境界線が曖昧なまま売却してしまうと、売却後にトラブルになるのはもちろん、そもそも売却できない可能性があります。とくに土地が古い場合は境界線が曖昧になっている可能性が高いため、不動産売却をお考えの方は境界線を確定する測量の実施も検討しましょう。

また、中にはいわゆる「事故物件」とされる不動産の売却を検討している方もいらっしゃるかと思います。事故物件はイメージが悪いからと事故物件であることを隠して売却を進める方も中にはいらっしゃいますが、これは告知義務違反となります。

不動産売却の際、買主に対して事故物件であることを告知しなくてはいけないという決まりがあり、これを無視して売却を行い、売却後に買主が事故物件であることを知った場合、損害賠償請求や契約解除のリスクが発生します。そのため、たとえ事故物件であってもそれを隠すことなく申告することが大切です。

相続した不動産をお持ちの方や住み替え予定の方などで不動産売却を検討している方は、事前に売却の流れや必要書類、査定ポイントなどを確認してスムーズな売却を目指しましょう。

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また中古住宅をリノベーションすることで売却に有利になるケースもあります。エステートプラスでは中古住宅のリノベーションについてもご相談承っています。まずはお気軽にお問い合わせください。